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『さよなら銀河鉄道999』を観た夏、五島プラネタリウムで見上げた星空

映画の余韻を胸に、五島プラネタリウムへ向かった夏の日。 あの星空の静けさはいまも、心の奥に残っています。
目次

『さよなら銀河鉄道999』

小学6年生の夏、友達と少し背伸びをして渋谷へ出かけました。
映画館の暗闇のなかで『さよなら銀河鉄道999』を観終えたとき、胸には、メーテルを見送ったあとの切ない余韻が静かに残っていました。スクリーンが明るくなっても、心はまだ、星の海のなかに置き去りにされたままだったのを覚えています。

映画館を出た私たちが向かったのは、五島プラネタリウムでした。
夏のにぎわいから少し離れたその場所で、再び見上げた満天の星は、まるで映画の続きを見せてくれているようでした。少年から大人へと変わっていく、その途中にしか味わえない静けさと安心感が、そこにはありました。

あの別れの場面を思い出すたび、胸の奥には、あの言葉が静かに響いていました。
“いま、万感の想いを込めて、汽笛が鳴る…”
“いま一度、万感の想いを込めて、汽車が行く…”

今回は、あの夏に見上げた星空の余韻を胸に、今もなお渋谷に残る、静かな場所をめぐってみませんか。

映画の余韻

1. メーテルを見送ったあとの、消えない寂しさ

スクリーンの中で、鉄郎を置いて走り去っていく999号。
映画が終わり、渋谷の夏の街へ出ても、胸の奥に残った寂しさはなかなか消えませんでした。「もうメーテルには会えないんだ」という思いは、映画の中の鉄郎と、小学6年生だった私の心を、同じ色に染めていたように思います。

友達と並んで歩きながらも、言葉にならない切なさを抱えたまま、私たちは五島プラネタリウムへ向かいました。
暗闇のなかに広がる満天の星空を見上げていると、光の川のなかに、黒いコートを着たメーテルの姿を思わず探していました。寂しいのに、どこか温かい。あの星空の静けさは、傷ついた少年の心をやさしく包み込んでくれる場所だったのです。
“いま、万感の想いを込めて、汽笛が鳴る…”
“いま一度、万感の想いを込めて、汽車が行く…”
あの言葉は、今でもあの別れの情景とともに、静かに胸の奥に残っています。

五島プラネタリウム

2. 銀色のドームの下で、もう一度見上げた星の海

映画館のあった東急文化会館の最上階へ、エレベーターで上がります。
扉が開くと、そこには渋谷のにぎやかさから切り離された、少し古めかしく、どこか独特なほこりの匂いのする静かなロビーがありました。

ドームの中に入ると、中央には、まるで宇宙から来た生き物のような、黒くてごつごつした「ツァイスIV型」の巨大な投影機が静かに佇んでいます。
やがて館内がゆっくりと暗転し、満天の星が天井いっぱいに広がったとき、私は、光る星の川のなかに、あの黒いコートを着たメーテルの姿を思わず探していました。

解説員さんのやさしい声と、夜空を指し示す矢印の形をした光。
その静かな光を見つめているうちに、メーテルと別れた寂しさが、少しずつ温かい安心感に変わっていくのを感じました。あの星空の静けさは、傷ついた少年の心をやさしく包み込んでくれる、かけがえのない場所だったのです。

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